行ってみたかったカフェに行く①in京都
大学院修士1年の1月に私は気付きました。
日々の楽しみというものがない自分に。
研究以外にすることといったら、とりあえず興味ある漫画読んで、とりあえず興味ある映画観て、とりあえず気分転換に走って…
とにかく趣味がない。
けど食べることは大好き。ヤングコーンとカリフラワー以外ならほぼなんでも食べる。
ということで、せっかく京都に住んでるならということで、美味しいカフェ・ご飯屋さん開拓やってみる、ことにした。
その第一号はmememe。
荒神橋を東から西に渡り、少し南の家屋が立ち並ぶ住宅街の細い路地に入ったところに、mememeはある。
中に入ると、アンティークがなんともおしゃれに飾ってあって、おもちゃ箱の世界に迷い込んだような。灯りも暖かく、コーヒーの良い香りがお店中に広がっている。好き。
事前注文式のようだ。悩んだ挙げ句に、コーンミールパンケーキのベーコンエッグ・フルーツ・サラダ添えとコーヒーに決める。1590円。
店長らしきおじさんは無愛想な感じもするが、無駄な気を削ぎ落としている感がサービス過剰な世界に生きている私にとってはちょっと心地いい。
コーヒーが先に来た。中深煎りかな、酸味がなく美味しい。気に入っちゃった。
パンケーキがくる。どどん。
絵本で見たような彩りのセット。この見た目で美味しくないはずがないだろう。
パンケーキ、とうもろこしの甘さがほんわかと感じられる。飽きない。
卵もベーコンもそのままで十分美味しいのに、甘いパンケーキと一緒に食べたらもう無敵ですよね。あまじょっぱい幸せってこういうことかな。
メープルシロップもかけちゃう。最初は少しずつ、でも最後はもうとことん甘くしたくてドバッとかけちゃう。
甘すぎぃ。
こういうのを幸せって言うのかな、知らんけど。
昨日のことについて
昨日、先斗町でひとり飲んでいたら高校の女友達から着信。
普段インスタでDM送りあったりぐらいはする中だけど、電話なんて珍しいなと。
かかってきた時はビールを享受している至高の時間真っ最中であったため、2、3時間後にかけ直してみた。
すると画面の向こうから複数のけたたましいつんざくような笑い声。
そう、その日は高校の気の置けない女友達飲み会が開催されていたんだった(誘い自体はライングループで送られてきていたため知っていた)
思わず、あーしくったと思った。
自分1人対複数の友達で電話すると、必然的にこちらが彼女たちのネタの餌になることは見えているのだ。
案の定、1人だけにしか伝えていなかった私の諸々()は共有されていた。
多勢に無勢。
その子だから、その子にしか共有できない事柄だからと思ったから話したのに。
いや、別に他に知られてもいいけど、どこかで知られたくない気持ちがあったような。
うーん、地味に傷ついていく私。
そして話が進むにつれ、(私)は欲望に忠実だもんねえとか言ってくる始末。しかも茶化し気味に。
正直、この発言は琴線に触れた。
欲望に忠実で何が悪い?
あれが欲しい、これがわかるようになりたい、そういうふうになりたい。
こういった「欲」は私を進ませてきた。
欲があって何が悪い?そういうあなたは「欲がない悟った人間様」なんですか?
私は「人間様」でなく、「人間」でありたい。
そして、こんな私を理解してくれる人、わかってくれる人。
こういう人たちと時間を共有してゆきたい。
院生になる私と、社会人の友人について
昨日、社会人の友人と遊んだ。
彼女は自分の稼いだお金で新しく買ったカメラやipad、洋服、美容などを報告する。
彼女に悪気がないことは十分わかっているし、彼女のことが大好きであることに変わりはない。
けれどそういった話を聞くたびに、まだ両親のお金で生活し、両親のお金で進学する予定の私の心に隙間風を感じるのもまた事実で。
どこか劣等感を感じてしまう。
卒業後は絶対に高級取りになってやる、そんな浅はかで下品なことを考えてしまう。
て感じ。(参考文献読むの楽しい)
1次試験
チャイムが鳴り、1次試験が始まった。
問題用紙が3枚配られ、3つの英語エッセイの和訳に取り掛かる。
正直、1試験につき1エッセイの和訳だと思っていたので配られた問題量には面食らった。でもまあ焦ってもしょうがないので、1時間半の試験時間だからとりあえず1つにつき約30分をあてがうことにした。
最初のエッセイはマルクス史観について、
次に大日本帝国憲法のスタイルについて、
そして最後は日本における東アジア地域内戦をめぐる言説について、
詳細を記すと、何かと面倒ごとが増えそうなので詳しい内容は割愛する。
なかなか訳しにくい部分が多く、とにかく目の前の部分に必死に取り組むしかなかったので全体を俯瞰する余裕はなかった。特に二つ目のエッセイはかなり手こずった。
けれどやはり限られた時間の中でできる限り回答用紙を埋めるために、一エッセイ和訳につき約30分を守り、最後は見直しの時間まで持つことができた。
とりあえずやり切ることができた。
チャイムが鳴り、30分間の休憩時間になった。
多くが次の専門科目の試験に備えるなか、私も手洗いに行った後『論点 西洋史学』を見返していた。
すると、前の席の留学生らしき女の子が声をかけてきた。
髪を引っ詰めて上結びにし、細縁のメガネをかけている。身長は低く少しふくよかな感じであった、年のころは私と同じくらいのはずなのに、化粧をしてないせいかどこか幼く見えた。
シャープペンシルの芯を欲しいという。私が数本あげると、1本でいいと言われた。
私はやはり二、三本は持っていた方が良いと思い、もう一度芯を差し出した。けれどやはり1本で良いと言う。
私は諦めた。(諦めた?)
数分経った後、彼女が私の方に振り返る。
「ありがとうございました、あなたは絶対受かる」。
面食らってしまった。
試験会場で、見ず知らずの人間の合格を祈るなんて。
彼女にとって、その言葉に深い意味はなかったのかもしれない。
けれど、嘘でもそんなことが言えるなんて、
いつだって自分が受かることしか頭になかった私にとっては、やはり驚かざるをえない言葉であった。
翌日の17時頃、私は龍馬の墓に向かう長階段の踊り場で1次試験の結果を知った。
前の席に座っていた彼女の番号はなかった。
どこか、寂しさを感じた。