進々堂の窓側の席にはいつも、御予約席と書かれた札が置かれている。
なぜだろう。薄く、軽そうな一枚の札なのに、私はその席に座るたびに
プレッシャーを感じてしまう。
「読書をする人は孤独な人」。
太宰治の言葉だという。
私は孤独なのか?
孤独は良いことだと、昨今の知識人や「頭が良い人たち」が言う。
けれど、孤独は孤独だ。
いいことだなんて思わない。悪いことでもないけど、たまにそれが寂しいとも感じる。
けれど私は孤独を手放そうとも思わない。孤独を愛したい。
どっちつかずのものだから、愛しい。
こういうことなのかな。